情報システム部門の仕事は、基本、デスクワークが中心だ。
勿論、スイッチやサーバのリプレースでデータセンターに足を運んだり、EDI関連の打ち合わせで、取引先まで出向くこともあるが、営業マンや重役の方々に比べれば、出歩く機会が極端に少ない。
ユーザーからの問い合わせに関しても、電話やリモート・ツールで対応できてしまう。
しかしながら、システム導入のための説明会を実施する、ユーザーのパソコン更新、軽度なプリンター不調、などといった場合には、他部署や拠点に足を運ぶこともある。
そんな時こそ、情シスマンとしては、チャンス到来と考えたい。
なぜなら、直接出向いて、現場の日常を感じることは、普段のサポート業務やシステム開発で必ず役に立つはずだからだ。
「私は、シャイ・ボーイ(ガール)なので、やることだけやったら、速攻で帰ってきたいです」などと言ってはならない。
我々から見れば、ユーザーはお客様なのだ。いち営業マンとして、やるべきタスクをこなすことは最低限で、必ず新しい情報を得たり、または相手に新しい情報を提供できなければならない。ただただその「役割」を全うすればいいだけだ。
例えば、
- 情報を得る場合では、ユーザーはどんなトーンでお客様と会話をしているのか?
- ユーザーがPCで社内アプリを操作する際、マウスとキーボードの使い分けはどうか?
- パソコン以外ではどんな資料がデスクに置かれているか?
- 人が作業していて、RPAで置き換え可能な作業は無いか?
などなど、電話ごしでは、わからない情報が大量にあるであろう。
そこでの気付きが、次の改善や改革につながる。まさに、事件は現場で起こっているのだ。
また、情報提供できることについては、無限にあるだろう。
現場の日常を感じることができたならば、ユーザーの不便を感じることができたはずだ。
特にユーザーが毎日行う操作の中で、その方が知らないだけのTIPSをさり気なく教えることで、鬼のように感謝されることもある。
決して押し売りや決め付けで言うのではなく、「この場合には、こういう方法もありますよ」という具合に優しく示唆することがポイントだ。
ユーザーからの「ありがとう」を集めよう。
そこで得た信頼関係は、翌日からのデスクワークを今以上に充実させてくれるはず。
人の喜びを自分の喜びと感じられる人間でありたいものである。