前回の記事の通り、ACSはJavaVMの上で動作します。
となりますと、管理者は Javaの知識が必要になるかと思います。
例えば、次のようなケースでは、コマンドからACSを起動してやる必要がありそうです。
- 初期ヒープサイズ、最大ヒープサイズなどを指定したい(非力なPCの場合)
- 指定のJavaSEで起動させたい(他のアプリで指定されたJavaを利用しているため)
今回の記事では、Windows10のパソコン上で、初期ヒープサイズを指定し、指定したJavaSEのVersionで起動するバッチファイルでACSを起動する方法を書きとめておきたいと思います。
ACSドキュメントについて
- 事前学習としまして、インストールしたフォルダ内にある「操作ガイド」を参考にしました。
file:///C:/Users/tigertaizo/IBM/ClientSolutions/Documentation/GettingStarted_ja.html
ACSの起動方法
- Windowsの場合、通常のアプリケーション起動は、「acslaunch_win-64.exe」(64ビットOSの場合)の実行ファイルをクリックすれば起動しますが、バッチファイルでは「acsbundle.jar」という jarファイルを実行します。
実行ファイル
C:\Users\tigertaizo\IBM\ClientSolutions\Start_Programs\Windows_x86-64\acslaunch_win-64.exe
jarファイル
java -jar C:\Users\tigertaizo\IBM\ClientSolutions\acsbundle.jar
指定したJavaSEでの実行
set JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jre1.8.0_172 path %JAVA_HOME%\bin
ヒープサイズ
- 次に、ヒープサイズのチューニングです。下記のサイトが参考になりそうです。
とりあえず、デフォルト最大ヒープサイズとデフォルト初期ヒープサイズを2GBで起動する設定を書いてみます。
- デフォルト最大ヒープサイズ(-Xmx)
- デフォルト初期ヒープサイズ(-Xms)
set MAX_HEAP_SIZE=2048m set DEFAULT_HEAP_SIZE=2048m java -Xms%DEFAULT_HEAP_SIZE% -Xmx%MAX_HEAP_SIZE% -jar acsbundle.jar
「Java Mission Control」ツールで確認すると、きちんと約2GBの最大ヒープ・サイズになっているようです。
バッチファイルのサンプル(HODファイル読み取り)
- 下記のサンプルでは、すでに定義済みのHODファイルを起動するように設定しました。
- 完成したバッチファイルは、こちら ↓
5250.bat
set JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jre1.8.0_172 set JAR_FILE=C:\Users\tigertaizo\IBM\ClientSolutions\acsbundle.jar set HOD_FILE=C:\Users\tigertaizo\Documents\IBM\iAccessClient\Emulator\IBM5250.hod set MAX_HEAP_SIZE=2048m set DEFAULT_HEAP_SIZE=2048m path %JAVA_HOME%\bin java -Xms%DEFAULT_HEAP_SIZE% -Xmx%MAX_HEAP_SIZE% -jar %JAR_FILE% %HOD_FILE%
実行時のコマンドプロンプト画面を表示しないで起動する
以上で終わりではなくて、先に作成したバッチファイル(ex: 5250.bat)をクリックすると、DOS窓が残ってしまいます。
こちらについては、下記のサイトを参考にさせてもらい、別途同一フォルダに設置した「5250.vbs」をクリックして、DOS窓非表示で無事にACSを起動させることに成功しました!
あとは、vbsファイルをデスクトップにショートカットを作って、アイコンを変更すれば、それらしくなるでしょう。
オッケー、オッケー!!